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非常勤日記 58回 投稿者:新井 明 投稿日:2014/10/12(Sun) 22:42 No.747

9月某日
ネットワークの東京部会出席。出講日ではなかったので、午前中は自宅で非常勤の準備などをして夕方会場へ。加藤先生から『身近な疑問が解ける経済学』(日経文庫)を頂戴する。これは、日経新聞のやさしい経済学で連載されたものをベースとした本で、ゲーム理論や、交通経済学、医療経済学、行動経済学などの知見を使って、きまり、行列、民主主義、いのちや時間の値段、リスクや期待、電力改革、組織や人事制度、公平さ、先延ばしなどの身近な現象を解いてゆくものである。連載中から面白いと思っていたので、まとまって読み直せるのは有難かった。
なかでも、機会費用概念をつかったいのちや時間の値段をテーマした交通経済学の部分は現在の私の関心とも絡んで面白かった。でも、ちょっと残念なのは、ブックガイドで「機会費用そのものについて詳細に扱った文献は少ない」として、ほとんど紹介されていなかったところである。これは、その通りで仕方がないのだが、経済学でオーストリア生まれのこの概念がどうして基本的経済概念にはいってきたのか、その詳細を知りたいと考えている私には、ちょっと肩すかしを食った感じである。とはいえ、教材のヒントもたくさんあり、お勧めの本である。

9月某日
御嶽山噴火。50人を超える死者がでる参事となる。気軽に上れると言うが3000メートル級の山はやはり危険と隣り合わせなんだろうと思う。それにしても災害の多い年だ。

10月某日
大学の非常勤が始まる。本日は、女子大の方。受講者9名。昨年とほぼ同じ。今年は、最初にレポートの見本(昨年度の優秀作)を持参して、これを書けるようにするのが目標と現物をみせて始めることにした。内容も、基本は変わらないが、少しずつブラッシュアップするようにつとめている。知識テスト、自己紹介、ガイダンス、リアペの記入など、最初からかなりの課題を課しながらすすめる。
帰宅途中で、『ビッグ・イッシュー』を久しぶりに購入。

10月某日
もう一つの非常勤も始まる。受講者は80名弱。私立と国立での条件が違いすぎるのがよくわかる。うち半数は、英語の免許状を第一希望にしている学生。ここは、英語専攻以外の課程の学生が英語の免許状を取る条件として、公民科教育法の受講を義務つけている。したがって、公民科で教育実習を行わない学生が多い。大変といえば大変だが、いろいろな学部の学生が集まっているので、専攻の違いによる受け止め方の違いも分かり、こちらの勉強にもなる。
今年は、学生の座席を指定しようと考えて予告を出す。大学の授業でも秩序とモチベーションの維持、向上が課題であることは高校までと変わりない。ただし、内容は、できるだけ単なるハウツーにならないように、いろいろなボールを投げようと考えている。なにしろ、金曜日の6限という時間帯に受講する学生である。機会費用は高いはずで、それに見合う内容を提示しないと申し訳ない。一回ごとが真剣勝負となる。

10月某日
娘が子どもと我が家へ「難民」として避難してくる。子ども(私から言えば孫)が保育園で風邪をもらい、それが娘(ママ)にうつり、娘の亭主(パパ)も発熱。一家が「全滅」しそうということで、パパを自宅に残しての緊急避難である。高熱を出した娘を医者に連れてゆく。子育て中の病気は致命的。核家族の弱さである。我が家は「野戦病院」化して、私は孫の世話係。全く不十分だが、猫の手よりは良さそう。何年振りかで、幼児をお風呂にいれたが、大声でなかれて、結局、熱のあるママに預けるしかなかった。嗚呼。ちなみにこの孫のニックネームは「ブラックホールS」。Sは孫の名前の頭文字。親をはじめとする周囲のエネルギーを吸い取るブラックホールのような存在である。

10月某日
台風来襲で、学校が休校になる。前日来の娘親子の来襲でばたばたしていたので、雨の中を出掛けなくてよくなりホッとする。しかし、本日予定していた授業クラスの進度が狂いそうで、これはまたこれで困りもの。

10月某日
大学図書館から借りた三冊の本を読む。いずれも教育社会学の関係者の本である。一つは、学力格差の問題を扱った志水宏吉さんの本。なぜ、秋田や福井が上位になって、大阪が下位なのかの分析とルポは参考になる。大阪の中でも頑張っている学校があり、その要因を分析した部分が面白かった。「効果のある学校」「力のある学校」という概念が刺激的である。ただし、現在の大阪の教育改革はその蓄積を崩すような方向にあるという。実際のところはどうなのか、大阪の先生方の声を聞いてみたいと思った。
二冊目は、『高卒当然社会の戦後史』という本。これは高校の戦後史をたどりながら、だれでも高校に通える時代になった理由とそれぞれの地域による高校急増期の対応の違い、それが高校教育にどんな影響を与えているか、また、現在再編が進んでいる高校はどうなっているか、これからどうなるかを若手の教育社会学者が実証的に分析した本である。これでも大阪が取り上げられている。大阪では、第一次ベビーブームの時には、3000人4000人規模の私立高校があったことが紹介されている。この本からは、高卒当然社会で、逆に高校からドロップアウトしてゆく層のことを考えさせられた。
最後は、竹内洋さんのエッセイなどを集めた本。竹内さんの本はかなり読んだので、新しい知見はなかったが、吉本隆明を取り扱った箇所で、吉本のいう「大衆の原像」は理念型であるという指摘にはうなった。たしかに、そうだよなというのが、吉本を読んだ世代の後追いの感想。また、「なぜ人は同窓会が好きなのか」というエッセイも面白かった。
大学での公民科教育法の授業で丁度、17歳をテーマとした青年期の授業のつくり方をとりあげたので、関連していろいろ参考になった。忙中感あり、である。

10月某日
もう一人の孫の幼稚園の運動会に出かける。孫の運動会や文化祭にでてくる祖父母をみて、これまでは冷ややかだったのだが、その視線を受ける立場になってしまった。
それでも収穫あり。何がと言うと、学校教育の偉大さを感じたからである。前日に読んだ教育関連の本の残像があったのだろう。
三歳児を半年預かり、あれだけの行動ができるようにしつける仕組みは素晴らしいというのが正直な感想。それまでおしめをつけていた子どもが、ちゃんと行進し、走り、遊戯をしている。親ならずともよく育ったと思うと同時に、注いでkれたエネルギーに対しては、授業料云々という問題を捨象して、感謝の気持ちで一杯というところ。自分たちの日頃の教育の仕事を振り返るのに十分な半日だった。



「シンプル経済教室」の公共と協力のシリーズを掲載 投稿者:TM 投稿日:2014/09/22(Mon) 07:40 No.744

皆様

すでにお知らせしました「シンプル経済教室」(https://sites.google.com/site/econeduvideo/)で、「需要供給」と「効率と公平」のシリーズに続き、「公共と協力」のシリーズをアップしました。

ここでは、2つのクラスゲームを実施したことが報告されています。一つは簡単にできる「じゃんけんゲーム」で、もう一つは実際の経済の例を取り入れた「公共財ただ乗りゲーム」です。

いずれのゲームでも、1回限りのゲームでは、お互いの協力は難しく、「囚人のジレンマ」が起こりやすいという結果が得られます。
しかし何回か行う「繰り返しゲーム」では、少なくとも最初のうちは協力して「囚人のジレンマ」を避けて、お互いの点を増やそうという動きが見られるようになります。
しかし、それでも協力しないことで自分だけがより大きな利益を受けたり、終わりに近づくと協力せずに「勝ち逃げ」を狙うなどの行動が見られ、協力が限定的であることが分かります。
このような実験とその結果を踏まえて、クラスでどのような議論ができるかについても触れていますので、ぜひ以下をご覧ください。

経済教室6:公共と協力1「人が協力することはなぜ難しいか」
ビデオ(YouTube: 8分6秒): http://youtu.be/ZPEop1a2_tk
講義要旨(Google docs):
https://docs.google.com/document/d/1SV069jLbeRUZ6vzhAqIi7Sa5HEcYphE3McWsA-9IeKU/edit
アンケート教材(Google docs):
教材6.1: 「じゃんけんゲーム」の実験 :
https://docs.google.com/document/d/1SjuwYd-2Z6AMnLRk6P0ySJ2AFEeIk7m6TTU6UfXSrZg/edit

経済教室7:公共と協力2「いかに人を協力させるか」
ビデオ(YouTube: 7分23秒): http://youtu.be/77L0z6Jo6iQ
講義要旨(Google docs):
https://docs.google.com/document/d/1Bircg-ToLAQcBLAyVKQUCgo3puaz18YlCgO6eZx9h0g/edit

経済教室8:公共と協力3「公共財ただ乗りゲーム(囚人のジレンマ)」
ビデオ(YouTube: 9分5秒): http://youtu.be/wMPjM2OL_Q4
講義要旨(Google docs):
https://docs.google.com/document/d/15Ps3C5ouQWGYZKvR3BLo8ot2HTSFDdx5zyeujlcr6lM/edit

経済教室9:公共と協力4「公共財ただ乗りゲーム(繰り返しと協力)」
ビデオ(YouTube: 10分31秒): http://youtu.be/q8DicsAFZtI
講義要旨(Google docs):
https://docs.google.com/document/d/1TkUDMlu3IwJd-PoARS0OJJ4YMny9Aew-qAnWWqDv7ls/edit
実験教材(Google docs)
教材9.1: 回答用紙:
https://docs.google.com/document/d/1rB5O4nD82pPKa6i_hnZTXUjGKaE20i9T3WiXiqQxX6A/edit

これで、「経済教室」シリーズは一段落です。
今後は、経済のような生徒が一般に興味を持ちにくい科目をどう教えたら、生徒たちが自主的に学ぼうとする意欲を持つかのヒントを提供するような講義ビデオシリーズの掲載を考えています。

またこのような講義ビデオの作成なども含めて、色々と議論や質問をされたい方は、経済教育ネットワーク主催の「秋の経済教室」(11月15日土曜の16:00-17:30、日大経済学部2号館2階)にご参加ください。

宮尾尊弘



Re: 「シンプル経済教室」の公共と協力のシリーズを掲... 新井 明 - 2014/09/24(Wed) 09:55 No.746

宮尾先生 実験のいくつかは中高生でも十分可能だと思います。秋の経済教室楽しみです。よろしくお願いいたします。



非常勤日記 57回 投稿者:新井 明 投稿日:2014/09/24(Wed) 09:53 No.745

9月某日
勤務校の行事週間はじまる。芸能祭、体育祭、創作展(文化祭)を連続でやってしまうという行事である。本日は、芸能祭で日比谷公会堂に行く。ビッグバンドやオーケストラまでは良いのだが、ダンスやロックバンドになったら大音響で辟易。会場から避難。音の暴力には付き合わないことが一番だ。

9月某日
体育祭。前日の大雨で延期されたが本日は晴。ちょうど運動会日和である。教えている中学生は組体操、踊り、ダンスなど集団演技に出演。なかなか良い出来であった。均質な集団の威力かもしれない。びっくりしたのは、保護者がおそろいのタオルや帽子で応援していたことだ。今の一貫校の家庭状況や親子関係を垣間見る思いがした。

9月某日
創作展。教えている者の義務として出講している4クラスの演劇を二日続けて見に行く。ダブルキャストなので一日だけというわけにはいかないのである。中三は全クラス演劇で、すべてが短い喜劇である。これが現代的なんだろう。そのなかで、自分たちで脚本まで作ったものもあり、感心。担任の指導や配慮は大変なものがあるだろうと感じる。クラス差もよくわかり、授業で見せる顔とは違う生徒の姿も見ることができる。いいチャンスだった。

9月某日
学会参加のために京都に。秋の京都の混雑を考えておらずホテルがとれず、大津に宿泊。でも、京都駅から二駅だから、市内でうろうろするよりかえって良いかもしれない。京都では、久しぶりに知人と出会い、いろいろ話を伺う。研究者としての生き方と自分の研究テーマとのかかわりというかなり深刻な問題について意見を交換する。昔風に言えば「お前の存立基盤はなんなんだ?」という問いである。なぜそのテーマを研究するのかという問題は、経済教育でも同じと感じる一晩だった。

9月某日
学会発表。いつもはペーパーとパワポで発表するのだが、今回はパワポだけ。テーマは金融ケイパビリティという概念の紹介と、その背景となったアマルティア・センのケイパビリティ論の振り返り。今教えている生徒は豊かで将来性もある子たちが多いが、ケイパビリティ論から見ると欠落、阻害されている機能が見える。前日の知人との対話からそんなことを思い出しながら発表する。こんな不十分な発表だったが、質問がいくつか出て、新たにコンタクトができた。忘れないうちにペーパーも書いておかなければ。

9月某日
大失敗をする。ある会合があった日なのだが、全く一週間後だと思い込んでいた。連絡をもらってあわてる。丁度その日に校長の授業観察があり、キャンセルできないので、その後に出席。幸い、私が関係している個所を残しておいていただいたので、なんとか大穴を開けずに済んだが、社会人としては失格だ。
半世紀前、中学生の時の修学旅行で集合時間を一時間完全に間違え、集合地にいったら誰もいなかったという体験以来、この種の思い違いの失敗は数多い。またかである。
ちなみに授業観察は、こんなばたばたの最中だったので、うまくゆかず。ただ、価格の決まり方の実験(結果が出る前に時間切れ)は、ドンピシャリの結果が出ていた。この実験、きわめて簡単で、しっかり需要曲線、供給曲線が描け、均衡価格も発見できる(ただしグラフなど作成させると時間がかかる)ものなので、どこかで発表したいと思う。
こんなことで名誉回復しておかないと、穴はうめられない。



非常勤日記 56回 投稿者:新井 明 投稿日:2014/09/16(Tue) 23:30 No.713

8月某日
本日より新学期。昨年から行事の関係もあり、8月の始業となる。今年は異常気象もあり、涼しい始業となった。夏の裁判甲子園の受賞者がみんなの前で表彰される。あすからは授業。プリントの印刷などに追われる。

8月某日
久しぶりの授業。最後の経済の授業でもある。定番の『世の中なんでも経済学』の機会費用の部分を視聴させながら、進学の経済学を紹介。一貫校の中3なのであまりリアリティが感じられない。これが逆に問題なんだろう。夏の宿題回収。提出率が8割を超える。中学生と高校生の違いなのかと思う。

9月某日
NHKに通信高校講座の録音に行く。すぐ近くにデング熱の媒介をした薮蚊の発生源である明治公園があるので、近寄らないように本日は渋谷から歩く。渋谷は混沌の町。とにかく人が多い。それも多国籍である。人をかきわけ打ち合わせ場所に。通信高校講座もこれで最後になるだろう。実質15分ほどの原稿だが、構成を考えたり、分かりやすい内容に噛み砕くにはどうすればよいかなど、教室の授業にも参考にできるノウハウを結構獲得することができたかと思う。その意味では勉強になった。それもあと数回の録音で一区切り。

9月某日
夏にどこにもでかけられなかったので、奥さん孝行もかねて、一泊で旅行。といっても、ごく近くに行くだけ。条件は、海の近く、魚が食べたい、温泉があればいいね、そして安いことということで、いろいろ探して某所に出かける。出の日は雨。それでも観光地は人が沢山出ていた。旅館は予想通り古く、アチャーという感じであったが、食事はなかなかのもの。我が家流でいえばコストパフォーマンスはよかった。

9月某日
旅行の帰りに、新しくできた圏央道を厚木から高尾まで通る。20年以上前、計画が公表されたときは、高尾山をぶち抜いていいのかという議論や訴訟が起きた道である。その当時は、そんなに急いでどうするのという思いで見ていたが、実際に通ってみると便利さに負けそうになる。人間の性(さが)なんだろうなと苦笑しつつ帰宅した。

9月某日
齊藤誠さんの『父が子に語る、マクロ経済学』勁草書房、を読む。経済学者の父親が、政治学を学ぶ息子に経済学の話をするという構成の本。入門風なのだが、決して入門書ではないと断り書きが「読み方」の箇所に書かれている。その意味では、かなりのレベルの話が入っていて、やわな気持ちでは読めない本である。齋藤さんの若い人にこれは伝えたいと言う情熱がほとばしっている本でもある。とはいえ、対話風に書かれていて、実際に齋藤家でのやりとりや雰囲気が出ているようで面白い。それにしても、いい息子だ。これって創作?それとも本物?どちらにしても、親子で経済学を語るのは、少々気恥ずかしく、気持ち悪い部分もある。教育はやはり他人に任せたいな。

9月某日
朝日新聞が、原発吉田関連の報道と慰安婦報道を撤回、謝罪。リベラル派ジャーナリズムの自滅。裁判で言えば完敗ということになろう。全体が正しくとも、事実関係で穴があいた場合は、負けである。安倍首相のしてやったり顔や発言が印象的。民主党の自滅からはじまる戦後レジームの転換は、加速化することになろう。その時、どんな社会になるか、社会科という教科を担ってきた人間として注目してゆきたいと思う。




「シンプル経済教室」の効率と公平のシリーズをアップ 投稿者:TM 投稿日:2014/08/25(Mon) 18:37 No.698   HomePage

皆様
先にお知らせしましたように「シンプル経済教室ー簡単に学べる経済学」というウェブサイト(https://sites.google.com/site/econeduvideo/)で、「需要供給」シリーズを取り上げましたが、それに引き続き「効率と公平」のシリーズのビデオ2本と教材をアップしました。

最初の「効率と公平1」ではクラスでの簡単なアンケート調査をもとに議論を展開していますので、クラスですぐ利用できると思います。
次の「効率と公平2」では、アメリカでベストセラーになっている『21世紀の資本論』の解説から始まり、IMF(国際通貨基金)の最新の研究結果などにも言及する特別バージョンで、生徒に対するよりは先生向きの最新情報なので、ぜひご覧いただけばと思います。

経済教室4:効率と公平1「どれだけ効率的な社会に住みたいか」
ビデオ(YouTube: 6分18 秒):http://youtu.be/mB2Sc_1qT3Q
講義要旨(Google docs);
https://docs.google.com/document/d/1ctT35QMRaIcxhXyu1ZCy2RXDW-mgT_RGvnzzokQlDZ4/edit
アンケート教材(Google docs):
教材4.1: 効率・公平アンケート
https://docs.google.com/document/d/14ole1QKBfskP68coU4g51DOS9TwGHvZFUmHXsmspHSM/edit

経済教室5:効率と公平2「貧富の差の拡大をどうしたらいいか」
ビデオ(YouTube: 7分21秒):http://youtu.be/6DSMl7uvLoY
講義要旨(Google docs):
https://docs.google.com/document/d/197I5X2V7MQcOiewBMnvXUOGcgOH22N-9ltqCI5YA-Z4/edit

このようなビデオ教材をぜひクラスで有効に利用いただければ幸いです。
ぜひご意見やご感想をお寄せください。
宮尾



「シンプル経済教室」のビデオシリーズ掲載 投稿者:TM 投稿日:2014/08/17(Sun) 19:12 No.694   HomePage

皆様、長期海外出張のためご無沙汰いたしました。
その間、経済教育について考えていたアイデアを実行に移そうと思い、以下のように「シンプル経済教室ー簡単に学べる経済学」というウェブサイトを立ち上げました。
https://sites.google.com/site/econeduvideo/

ここに、とりあえず自分の講義のYoutubeビデオ2本を、要旨と一緒にアップしました。

経済教室1:需要供給1「山の上の飲み物はなぜ高いのか」
ビデオ(Youtube: 5分53秒):http://youtu.be/ob40UeCon_k
講義要旨:https://docs.google.com/document/d/1KRE-vNOvqeqOysCWNlIqAhprP3A-uzYLpyySSprrtTs/edit

経済教室2:需要供給2「レモンはどこまで絞ったらいいか」
ビデオ(Youtube: 7分17秒):http://youtu.be/mMJ-xbl6qQM
講義要旨:https://docs.google.com/document/d/1yIb37kmDgwQpm4yrIDvJjakxl5-hWM8jirbhtBtVDYQ/edit

次回は、需要供給に関するクラス実験について説明し、実験教材も掲載する予定です。
今後このような内容の講義のビデオシリーズを掲載していくつもりですので、ご意見やコメントをいただければ幸いです。

宮尾尊弘
南カリフォルニア大学客員教授
筑波大学名誉教授



Re: 「シンプル経済教室」のビデオシリーズ掲載 新井 明 - 2014/08/23(Sat) 12:14 No.696

宮尾先生 ご無沙汰しています。
配信された映像拝見しました。コンパクトでしっかり経済の考え方の基本を押さえた解説は、参考になります。続編を期待しています。



Re: 「シンプル経済教室」のビデオシリーズ掲載 TM - 2014/08/24(Sun) 20:00 No.697   HomePage

新井先生
ご感想をありがとうございました。
さらに以下のクラス実験を取り扱った第3弾をアップしました。ご参考までに。

経済教室3:需要供給3「最初がどれほど肝心か(クラス実験)」
ビデオ(YouTube: 8分6秒):http://youtu.be/jmWXu7Qgwdc
講義要旨(Google docs):
https://docs.google.com/document/d/1rb8b-D6WYXMjY8ieSD_imOU7v8kkngirJKN5ortAH_Y/edit
実験教材(Google docs):
教材3.1: 需要(価格)曲線の実験:
https://docs.google.com/document/d/1j4_pMsPYYg75cdANGIFYTT3ZPOP-rS540yBBTnIBhWA/edit
教材3.2: 「アンカリング効果」の実験:
https://docs.google.com/document/d/1HwUGqNbgw-eY6qnuabo50JGjjBKQ70NQAl272ZWj9FQ/edit



非常勤日記 55回 投稿者:新井 明 投稿日:2014/08/23(Sat) 12:04 No.695

8月某日
夏の教室がはじまる。初日は名古屋。一泊二日の日程。朝、4時半に起床。簡単な朝食を食べ、家をでる。7時の新幹線を使うと9時前に会場のういんくあいちに着く。駅から近く、清潔な会場なので快適。初日は、中学の先生向け。司会と記録を仰せつかっているので、結構忙しい。昼食は昨年と同じきしめん。終了後、ご苦労さん会。耳が完治していないので、アルコール抜き。それでも〆に天むすを食す。少々食べすぎか。宿舎は定宿。疲れたので早々に寝てしまう。

8月某日
名古屋が無事終了。一日ぼけぼけした後は、大阪へ。これも一泊二日の予定。新幹線は東京駅6時発。それでも会場には9時には到着。大阪会場は昨年と同じ國民会館。大阪城が目の前の快適な場所。昼食は、これも昨年と同じうどん屋。外国人観光客が入っていて込んでいた。ちなみに、この店、杉田先生に言わせると押し付けがましくてもう行かないという評価だった。たしかに売り物のカレーうどん定食をおばちゃんが、押し付けるように勧める。まあこれも大阪と思って、私は昨年と同様、きつねうどんを食す。
宿舎は定宿。大阪の定宿は二つあり、ひとつは大浴場つきのビジネスホテル。もうひとつが、今年泊まった、教会が敷地を提供しているビジネスホテル。前者は、フーゾク街の真ん中、後者はNHKや大阪府警のすぐ近く。対極的な二つであるが、昨年からは会場に近いので後者に泊まっている。清潔で部屋が広いので居住性はよい。本日も、早々に寝てしまう。ちょっともったいないか。

8月某日
大阪が無事に終了。土日と休養して、本日は妻の墓参につきあう。妻の実家は、今はやりの無人化した農家。いずれは解体しなければいけないのだろる。妻は不在地主で、農地は近所の人が耕作をしてくれているが(地代年間1万円)、これも農業改革がすすまないと、耕作者がいなくなる。それでも、今年はこれまで耕してくれた人が高齢化したため、その息子さんが継承してくれることになった。地方のマイルドヤンキー(失礼)こそが地方活性化のポイントとの指摘がされはじめているが、そうかもしれないという予感も感じる。

8月某日
NHKの通信講座の録音にゆく。「もう年寄りだから今回は…」と言ったが、結局、最後の御奉公としてお手伝いすることになった。それでも一度に二回分の録音の提案には、無理ということで承知してもらった。出かける回数が多くなるが、まあそれは仕方がない。
収録の打ち合わせの前に、経済教室で野間先生が、参考文献にあげていた「IMF」(中公新書)を大きな本屋を二件探すが、見つからない。帰宅後、アマゾンを検索したら、なんと82円ナリ。早速注文。たしかにこれでは街の本屋さんは太刀打ちできないと思う。有難いような、そうでないような不思議な気分。

8月某日
夏休みの教室も東京になる。お盆の最中なので電車はがらがら。東京高校は200人を超える申し込みがあって、会場は満杯。今年は、事前に紹介の文章なども用意してすこしフォーマルに進行させる。高校は、講義が続くが、先生方はしっかり聞いている。二日の長丁場だが、これなら何とかなるかとちょっぴり安心する。浅子先生の講演もレジュメを最初に見た時は、難しすぎ!と思ったが、講演では短時間に経済学の流れをくっきり浮かび上がらせてくれる内容だった。やっと耳は完治したが、本日は用心して早々に帰宅する。

8月某日
東京高校も無事に終了。夏に入ってから、墓参以外にほとんど奥さんと付き合わなかったので、本日は、世田谷美術館に「華麗なるジャポニズム」の展覧会にゆく。世田谷区が作った美術館だが、建物もロケーションも、展示内容も堂々たるもの。収穫の午後だった。美術館の帰りに、近くにできた新潟の魚屋直営の店で夕食を買ってビールで乾杯。妻は、後日娘から、夕食に何を食べたと聞かれて、家に帰って近所で買ってきたアジフライとすしと言ったら、なにそれと言われたそうだ。美術館とアジフライは合わないなと思いつつ、超大型の(つまりそこで裁いてあげた)アジフライも乙なものである。

8月某日
東京中学に参加。記録だけなので、少し気楽。中学は、実践報告が多いこともあり、最初で最後になるであろう中学生と格闘している身にとっては、自分の実践と対照するのに役立つ。今年は、大阪から河原先生、李先生、佐藤先生がいらっしゃって、東西の違いも感じることができ、面白い教室となった。この教室が終わると、夏休みは終了。
裁判甲子園、経済教室への参加、途中でラジオの収録などがあり、あわただしくすごした夏休みとなった。



非常勤日記 54回 投稿者:新井 明 投稿日:2014/08/10(Sun) 09:58 No.693

7月某日
夏休みになった。今年は海の日が21日になったので、開始が早くなった。とはいえ、昔と違い8月末には二学期がはじまる。しっかりプラマイゼロになるようになっている。
われわれ非常勤教員は、月ごとの出勤日が決まっているので、消化日で登校する。昔は生徒のいない学校はいいものだと思っていたが、今は、部活に補講に生徒が結構うろうろいる。特に、現在の勤務校は中等3年生がオーストラリアに語学研修に行くので、教えている生徒たちは連日その準備で登校している。全員参加が原則なので、生徒も大変だが、付き添う先生方も一題イベントで全精力を注ぎこんでいる感じである。夏明けの生徒の成長に期待したいところだ。生徒に「準備万端?」と聞いたら、「ええ、まあ」と複雑な表情を返してくれた。高校受験が無い分、これが彼ら彼女らにとっての良き通過儀礼になってほしいと感じる。

7月某日
突然、耳に水が入ったように感じたら、耳から水のようなものが出始める。なにこれと思って、耳鼻科にいったら滲出性中耳炎との診断をされる。普通、中耳炎は炎症で痛いのですぐわかるのだが、前兆も自覚もなかったのでびっくり。ネットなどで調べてみると、子どもと老人がよくかかるとあって、私も老人になったと苦笑。とはいえ、治療は中耳を洗い、抗生剤を注入。これが痛い。当分、通ってねと医者に言われ、今年は医者通いばかりとこれも苦笑。アルコールは禁止なので、ビールも飲めず。嗚呼、である。

7月某日
休みになったのだから、ちょっと本格的な本を読もうと、塩野谷祐一さんの『ロマン主義の経済思想』に挑戦。この本、刊行時に買ってあったのだが、書棚でほこりをかぶっていた。内容は、ラスキン、グリーン、シュンペータの経済思想を取り上げた規範経済学の研究書である。塩野谷さんは、近年はもっぱら経済倫理学、経済哲学に勢力を注いでいる。前著の『経済哲学』では、ハイデガーまで登場しているのでそれほど驚きはないが、ロマン主義まで射程に入れているのに感心する。
いつもの芋づる式読書で、ラスキンの本を引っ張り出し、読み直したり、伊藤邦雄さんの『経済学の哲学』(中公新書)も合わせて再読してゆく。最近は、数式のでてくる経済書や時事解説のような本より、この手の思想をあつかった本の方が面白い。これも年齢のせいかと思う。ラスキンの思想がどこまで現代に射程距離が及ぶのかは、ラスキンの原本を読んだだけではとても私などには思い浮かばないが、この種のガイドを手がかりに古典を読む老後もいいのではと思っている。

7月某日
日経と野村のストックリーグの説明会に出席。昨年度、生徒が入賞した縁で、取り組みを紹介してほしいということで60分ほど話をする。趣旨は、外部教材はたくさんあるが、その比較優位をしっかりみきわめ、使えるものは使ったらどうかということである。また、小石川での取り組みも紹介する。
この説明会の事前案内も含めたストックリーグの告知広告に登場していたので、「見ましたよ」と何人かの人たちから連絡をいただいていた。有難いことだ。
大阪でも同種の会があるので出席を要請されたが、裁判甲子園と重なるので断ったら、ビデオで投影するからということで、なんとビデオ収録もされる。(後日、これを見た神戸大学の岩壷先生から連絡をいただき、恐縮であった。)

7月某日
裁判甲子園の事前準備のために登校。勤務日にすると一日拘束されるので、ボランティア登校である。今年は生徒が熱心で、準備は順調かと思っていたが、支援の弁護士の先生とともに、リハーサルをやってみると課題が沢山出て、なかなか難しいものと痛感。事例を読み込み、それを的確な質問のかたちにしてゆくことは、私たちでも難しいが、生徒はその難しさにぶつかっているのだろう。

8月某日
裁判甲子園の準備の合間を縫って、金融広報中央委員会の主催する金融教育のセミナーに出席。昨年は高校の分科会に出たのだが、今年は大竹文雄先生や大杉昭英先生とご一緒で、全体会でのシンポジウムのパネリスト。現場の実感をもとに、いつもの調子で語る。短時間の発言しかできないのが分かっていたので、事前に内容を準備していたのだが、なかなかその場の空気を読みながら発言するのは難しいなと改めて思う。行動経済学の知見がお金の教育に使えるという大竹先生の話は、さすがだと感心。終了後、すぐに学校に引き返す。

8月某日
裁判甲子園の本番の日。例年通り、生徒は日比谷公園で朝練をしたようである。今年は7連覇の湘南白百合を引き摺り下ろすと生徒は意気込んでいた。結果は、審査員特別賞はいただけたのだが入賞できず、湘南白百合が8連覇ということになった。
裁判甲子園は、総当たりでも、勝ち抜き戦でもなく、参加8校が一日二試合を抽選で決まった学校と闘うという変則スタイルをとっている。わが小石川チームは、入賞した湘南白百合とも二位になった東京学芸大学附属とも対戦することができなかった。生徒は、直接対戦して自分たちの力を評価したかっだろうが、今年もやや虚しい思いで会場を去ることになってしまった。それでも、この間の生徒の頑張りと成長は大したもの。きっと学ぶことが多かっただろうと思う。
それにしても、8連覇をした湘南白百合は称賛に値する。プレッシャーを越えて高い水準に導いている指導者隈元先生には敬意を表したい。
私の、裁判甲子園への参加も今年で終了。義理で始めた参加だったが、若手の弁護士の先生たちとの交流など、面白い経験だった。この生徒たちは、二学期にはストックリーグに挑戦する。どんな結果を出してくれるだろうか。



非常勤日記 53回 投稿者:新井 明 投稿日:2014/07/16(Wed) 09:28 No.689

7月某日
学校で研修に出席。悉皆研修ということで非常勤の私にもお声がかかったのである。テーマは体罰。ビデオを見て、隣の先生と話し合い、その結果をワークシートに書いて提出という手順。提出されたシートをもとに、校長と面接という。ご苦労なことだ。一種のアリバイ作りなのだろう。
ただ、私はこの種の研修はキライではない。なぜかというと、研修の質が分かり、自分の授業の参考にできるからだ。今回は、管理職が全職員にやらせるという意味では良くできていると感じた。ただし、ビデオの内容は分かりきったもので、本当は裁判になったような限界事例をもとにそこからどうすればよいのかを検討させるというような内容にすべきだったのではと感じた。なにしろかなりの先生が訴訟保険に入っている如教なのだから、教員だってある種の緊張感のなかで生きているわけだから、それに見合うものでなければ意味はないわけだ。
後日、面接(5分)のときに、その旨を話したが、校長は苦笑していた。まあ、お役所のやることはこんなものなんだろう。

7月某日
学校の図書館から借りた本を猛烈に読む。読むというより眺めるというほうが正確か。基本的に線を引いたり、書き込みが必要と判断した本は自分で購入するが、大量に出てくる新書類などは図書館の本で済ますことが多い。
今回は、10数冊一挙に借りてあったので、どんどん読む。読み方は、まず、前書きとあとがきを読み、目次を眺め、章立てのところを開いて、章ごとにざっと内容を確認する。そのうえで、小見出しを手がかりに読んでゆく。新書だとだいたい一冊30分あれば全体はつかめる。あとは、印象的な箇所や重要だと思った箇所を読み返す。場合によってはメモを取るなどである。
今回、面白かったのは、戸田山和久『哲学入門』筑摩新書、古市憲寿『だから日本はズレている』新潮新書、野口悠紀雄『変わった世界、変わらない日本』講談社現代新書の三冊。それぞれ書評などで取り上げられている本。戸田山、古市の二冊は、文体が当節風であり、内容よりそちらのほうが気になった。野口本は、タイトルどおりの本。古いものをまもってはいけない、経済法則に逆らってはいけないというのが趣旨。三冊のうち前二者はいかにも若手の哲学者、社会学者が書く本、野口本は、オーソドックスな経済学者が書く本という印象であった。

7月某日
成績処理がはじまる。担任はこれからが大変。今回はじめて観点別評価を入力した。中三は歴史と公民で5単位あるので、まずは合算して5段階を決め、それをもとにお互いの平常点などを加味して観点別評価をする。まあ、大変な作業である。これだから日本の中学教員はブラック企業なみの労働時間となるのだと実感。
観点別評価に関しては、趣旨は正しいのであろうが、現場は全く迷惑であることを身にしみる。総合的な学習もそうなのだが、学校はこの種の「正論の逆機能」が多い。逆機能はどこかでカタストロフィーがくるまで続くのだろう。でも、そのときはおしまいだ。私はあと半年あまりでこの種の「徒労」から逃れられるが、若い先生方は「どこまで続くぬかるみぞ」の心境であろうか。

7月某日
台風一過。暑い日となる。老人ホームの母に面会にゆく。前回まで寒い寒いといっていた母が今日は、暑い暑いという。母だけでなく、こちらも暑さになれるのが大変。なにしろクルマについている温度計は39度を示していた。熱中症もでてくるはずである。それでもまだ梅雨はあけない。

7月某日
会議があり、都心にでかける。今回は、いつもの地下鉄の駅ではなく、ブロックにして2区画離れている近くの駅を使ってみた。まず、地下が迷路のように広がっていることにあらためて実感する。休日だったので、ほとんど人がいない長い地下道を歩くのはシュールな体験である。
東京は地下鉄がよく言えば網の目のように、悪く言えばてんでんばらばらに隙間を見つけて通っているので、東京に住んでいても分からない。駅も同様。迷子になりそうであった。
帰りは、地上を行くべしということで、歩く。ある交差点で、反原発の座り込みテントがあった。これもほとんど人が通らない交差点で数人が椅子に座っている。シュールな風景であった。ただし反原発のシュールさは、この種の運動スタイルが持っている、特有の構造からくるのかとも思った。



非常勤日記 52回 投稿者:新井 明 投稿日:2014/07/06(Sun) 12:50 No.680

6月某日
前回の最後の『子どもの貧困U』を読み直す。著者の阿部彩さんは国立社会保障・人口問題研究所の研究者である。高校の場合は学校差が大きく、特に小石川のような学校ではほとんど表面化しないが、深刻な問題であることは現場の先生方は実感しているはず。
この本、昨年成立した「子どもの貧困対策法」を踏まえて、政策の提案とその吟味をした本で、具体的提言には経済学の知見も多く取り入れられている。特に、印象深かったのは、貧困対策に成功した場合と失敗した場合の社会的費用を計算した個所である。その差を最大成功例で約1億円と推定している個所である。機会費用概念も使ったこの種の実証分析(ただし、かなりの推定が入っている)をもとにした早めの対策が必要であることが良くわかる。
実感をしっかり検証して、その対応を考えてゆくというプロセスを社会科教育、経済教育でも取り入れなければいけないと感じさせる本だった。

6月某日
昨年の日経ストックリーグで生徒が入賞したご縁で、その指導者を紹介するという広告の取材を受ける。インタビューをまとめるということで、一時間ほど話をする。日経新聞社は社会人としての経験をじはじめて与えてくれた会社なので、最後のご奉公というつもりで応じた。7月中旬に掲載予定とのことだが、なんだか面はゆい。

6月某日
久しぶりに本屋にいって経済書を買おうとしたのだが、あまりにもけばけばしいものが多く嫌になってしまう。この種の経済解説本や時事関係本はすぐにだめになってしまうので読むだけ時間の無駄と思って、こういう時は、古い本がいいのではということで、ハイエクの『隷属への道』春秋社を買ってみる。ハイエクは解説本を何冊か買ったことがあったが、ハイエクそのものの本をお金を出して買う気にはならなかった。今回は一番ポピュラーなものを手元に置く気になった。衝動買いである。一読、とても感心。1944年という時点で、計画経済、社会主義経済の問題点、また、ケインズやベバリッジなどの福祉国家における官僚支配をずばり指摘する透徹した目と批判的情熱を持った本であるということが分かった。フリードマンの序文や、西山千明氏の解説も興味深かった。
でも、ハイエクの自由論は強い個人の集合体なら可能になるのであろうという意味で、強者の論理かとも感じる。再分配の問題をどう解決するか、これが一番の現代の難問じゃやないかと、子どもの貧困を読んだこともあり、ハイエクを読んで改めて感じた。

6月某日
金融広報中央委員会の関係の会議があり、日本銀行へ。日本銀行の中に入るという得難い体験ということで参加させてもらう。約束の時間よりすこし早めについたので、日本橋付近を歩いてみる。再開発が進み、新しい雰囲気になっているので驚く。三越ものぞいてみる。ここは伝統なのだろうが、時代とのずれを感じる。ほんのちょっとのフィールドワークだが発見は多い。足で歩けだ。
会議は、「金融リテラシーマップ」という金融経済教育推進会議がまとめたものを学校教育でどう使うかを検討する内容。新指導要領の実施に合わせて金融教育に注目が集まっているが、業界団体からの要望がぎらぎらしすぎるきらいがあると感じているので、それをどう教育の論理で押さえさせるのか、また協力できるのか、宿題をもらった会議だった。

6月某日
ついに65歳となる。めでたくもあり、めでたくもなしということか。

6月某日
日経新聞の池上彰さんのコラムを読んでいて、違和感を感じる。取り上げられていたのはフィリピンの貧困対策ボランティアの事例で、関連して日本でもセツルメント運動があったという部分である。文章では、日本でも「1970年代前後セツルメント運動」があり、大学生たちが「スラム街」にはいって、子どもたちを教えたという表現がされていた。また「いまのフィリピンは40年前の日本」という表現もあった。確かに、セツルメント運動は私の大学にもあって、勉強を教える会などをやっていたので間違いではないけれど、当時それほど注目されてるとは思えなかった。また、活動地域を「スラム」と言っていいのかという点では、一般的には言えるのだろうが、70年代日本に関しては、そうかなあという印象である。最後の40年前の日本と同じという表現も比較する時点が違いすぎるんじゃないかと感じる。要するに間違いではないが、私の実感とは異なるということだ。池上さんも書きすぎで、筆が滑ったのかもしれない。
とはいえ、改めて調べてみたら、私の出身大学のセツルメントは子供会としてまだ存続していたし、セツルメントを名乗る病院などもまだ各地にあることが分かった。目立たなくとも地の塩の活動は続いているのだと認識。そんな再認識きっかけを作ってくれたのだから、違和感も大事かもしれない。

6月某日
期末考査問題を印刷する。毎回、ミスが無い様にと思いつつ、必ず出てしまう。癪だとおもうのだが、これも費用対効果の問題。今回も、ミスを発見したら加点するということでしのごうと考えている。さて、その結果は。
そのあと、上智で非常勤を組んでいる小原先生と、東洋文庫見学に行く。近くに、この種の文化施設があるということは有難いことだと行くたびに感じる。今はトルコと日本の関係史の展示。その後小原さんと情報交換。新しい取り組みや課題を話し合う。

7月某日
期末考査がはじまり、公民も実施。おそれていたミスが幾つも出てきて、恐縮。それでも生徒は一生懸命とりくむ。今回は、人権、統治機構の部分で範囲が広く大変だったとの感想がたくさん上がっていた。論述では、投票のパラドックスを出して、そうなった時にどうするという問いかけをしたが、さすがに「オレが決める」という答えはなく、時間をかける、じゃんけんなどが上がっていた。採点をしたらなんと100点や90点台(平均は69点)が結構出て、しっかり聞いている生徒がいるんだと改めて確認。男子の方が成績が良いというのは政治分野だからなのだろうか。もう少し様子を見たい。

7月某日
集団的安全保障の憲法解釈の変更を閣議決定。前のめりの安倍政権の政策を止めることができない私たちの弱さも感じる。民主党政権時代の三年間の負の遺産が大きすぎるのだろう。
社会科教師としてなにを伝えるか、覚悟が問われる日々が続く時代となった。

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